「圭子の夢は夜ひらく」という
歌は、なぜこれほどまでに人を
引き込んでいくのだろう?

その答えは藤圭子の生い立ち
にあるのかもしれない。

浪曲師である父と母は三味線
を伴奏にして独特の節と語り
で観客を楽しませていた。

幼いころから両親の背中を
見ながら、どさ回りに同行
した圭子は自らも舞台に立
って歌っていた。

その経験が、ものをいい、

浪曲で使う「語り」を
自身の歌の中に吸収する
ことで自分流の「語り」
を完成。

歌詞の深い意味や情感を
圭子流の「語り」で表現。

ドサ周りや「流し」などの
安定せぬ生活、

勉強が好きで成績優秀だっ
たが、高校に進学するのに
は費用もかかるので断念。

なかなか貧しい生活から
抜け出せない。

母と共に浅草や錦糸町などで
「流し」をして生活を支えて
いた。

寡黙な雰囲気で歌う圭子を
を見た聴衆は、過去の自分、
過去の苦労した自分の姿と
重ね合わせるものがあった
のでしょう。

共感を呼び公称累計120万枚
の爆発的ヒットになる。

圭子の夢は夜ひらく
1970年(昭和45年)
藤圭子
作詞:石坂まさを
作曲:曽根幸明

第1回日本歌謡大賞受賞
第21回NHK紅白歌合戦出場

圭子の夢は夜ひらく 藤圭子

苦労の甲斐があって、
オリコンチャートでファースト
アルバム「新宿の女」は20週
連続で1位、

間を置かずリリースされた
セカンドアルバムの「女の
ブルース」は17週連続1位
を記録。

なんと計37週連続1位という
空前絶後の記録を残す。

独特の雰囲気と静かなる迫力!
感涙するしかないですね。